かたつむりのフランス語カフェ

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フレンチポップの新星クララ・ルチアーニのおすすめ曲5選

ボンジュール!ふら語教師のかたつむりです。

今回は、現代フレンチポップの新しいスター、クララ・ルチアー二のおすすめ曲5曲を紹介したいと思います。

クララ・ルチアーニがファーストアルバム『SAINTE-VICTOIRE』を発表したのが、6年ほど前。その頃はほとんど無名でしたが、今では、特に若者の間で、飛ぶ鳥を落とす勢いの大人気フレンチポップ歌手になっています。

この記事では、まず、クララ・ルチアーニとは誰なのかを簡単に紹介し、次に、初めて彼女の曲を聴くなら何がオススメなのかを発表したいと思います。

クララ・ルチアー二さえ押さえておけば、あなたも現代フレンチポップをリアルタイムで楽しめるはず!

目次

I. クララ・ルチアーニとは?

1. プロフィール

名 クララ Clara
姓 ルチアーニ Luciani
国籍 フランス
生年月日 1992年7月10日
出生地 Martigues

2. 略歴

クララ・ルチアーニは、コルシカとシチリアにルーツを持つ家庭に生まれ、マルセイユ近郊の町Septèmes-les-Vallonsで育ちます。

身長が高いことがコンプレックスだったようで(現在、182cm)、子供の時から読書と音楽に慰めを求めていました。

11歳の時、おもちゃを売ってギターを買い、独学で演奏を学びます。

Aix-en-Provence地方の大学で美術史を専攻しますが、2011年、カンヌにコンサートに来ていたバンドLa Femmeのメンバーと出会ったことをきっかけに、大学を辞め、単身パリに上京、La Femmeのメンバーになり、女性ボーカルを担当。

2013年、La Femmeを脱退し、Maxime SokolinskiとデュオグループHologramを結成。この頃にはまだ、売り子、ピザ屋、英語教師などのアルバイトで生計を立てていました。

内気な性格でしたが、独立心も強く、ソロで活動をすることにし、2017年、初シングル「Monstre d’amour」を発表。

2018年、初アルバム『Sainte-Victoire』をリリース。Sainte-Victoireは直訳すると「聖なる勝利」という意味になりますが、これは彼女の地元プロヴァンス地方に実在する山の名前でもあります。

『Sainte-Victoire』は30万枚以上を売り上げる大ヒットアルバムとなり、クララ・ルチアー二はフレンチポップ界の新しいスターになります。

2021年、セカンドアルバム『Cœur』をリリース。予想通りの大成功。

3. 音楽的特徴

クララ・ルチアーニの音楽は、曲調の明るさと歌詞の暗さが結びつく「Disco dark」とか「泣き踊り」と形容できるようなスタイルを特徴としています。

歌詞の内容としては、失恋とその克服や、女性の社会的立場を歌ったものが多く、ほとんどが自伝的な内容のものとなっています。

クララ・ルチアー二は自身の音楽的影響について、Françoise Hardy, Nico, Patti Smith, PJ Harvey, Paul McCartney, Serge Gainsbourg, Michel Legrandなどの名前を挙げています。

II. クララ・ルチアーニのおすすめ曲・5選

1. Comme toi 「君のように」


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2018年にリリースされたファーストアルバム『SAINTE-VICTOIRE』に収められています。

ボクはこの曲を聴いてクララ・ルチアーニのファンになりました。当時、彼女はほぼ無名だったのですが、リズム感と言葉遣いが素敵ですぐに好きに。

ざっくりいうと、「求めているのは君だけ。でも、私たちはこんなに似ているのに、君は私を理解してくれない」という心の苦悩を歌った曲です。

サビでの感情の高まりもいいですが、暗めの声で歌われるヴァースがかっこいいですね。

2. La grenade 「グレネード爆弾」


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ファーストアルバム『SAINTE-VICTOIRE』の大ヒット曲。

この曲は性差別・性暴力に対するプロテスト・ソングです。

サビで繰り返される「私の胸の中にはグレネード爆弾が眠っている」という言葉は、男性中心社会で抑圧される女性に潜む力と危険性を表現しています。

ちなみに、フランスは日本よりもずっと男女平等が進んでいますが、それでもまだ女性に対する性差別や性暴力は依然として残っているんです。

クララ・ルチアーニ自身も音楽業界で受けた性差別に抗議する目的でこの曲を書いたとどこかで言っていました。

いずれにせよ、かっこいい曲です。

3. On ne meurt pas d'amour 「人は恋で死にはしない」


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ファーストアルバム『SAINTE-VICTOIRE』の一曲。

「人は恋で死にはしない」とはいうものの、クララ・ルチアーニは失恋の苦しみを痛いほどよくわかっています。

彼女の曲には、「それでも、めげずに前を向いて歩こう」というメッセージが込められているものが多いです。この曲にもどこか明るい前向きさが感じられます。

プロモーションビデオは日本旅行をした際に撮影されました。

4. Monstre d’Amour 「愛の怪物」


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ファーストアルバム『SAINTE-VICTOIRE』の一曲。

しんみりとした失恋歌です。前向きな明るさはこの曲には見当たりません。どこまでもメランコリックです。

アルバム制作前にクララ・ルチアー二は悲痛な失恋を経験したそうですが、その失恋がこの曲のもとになっています。

サビ

ねえ、どうして私は沈んでいくの
渦の中、影の中に、溺れながら
ねえ、この怒りはなんなの
私を捻じり、打ちのめす、この怒りは

5. Respire encore 「新たな呼吸」


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セカンドアルバム『COEUR』の大ヒット曲。

プロモーションビデオの映像からもわかる通り、「歌って踊ろう!」「人生を楽しもう!」というダンス・ミュージックになっています。

コロナ禍明けと重なったこともあり、フランスでは脱コロナの凱歌になりました。

まとめ

以上、クララ・ルチアーニを初めて聴く人向けに、オススメの曲を5曲紹介しました。これであなたも現代フレンチポップを自信を持って語ることができます。

また面白い曲が見つかったら皆さんに共有したいと思います。

それでは、また。

À bientôt !