かたつむりのフランス語カフェ

吾輩はふら語教師である。名前はかたつむりである。

仏語教師がオススメするフランスの有名シャンソン10曲(60年代中心)

ボンジュール!フランス語教師のかたつむりです。

今回は、ボクが個人的に気に入っている、フランスの有名シャンソンを10曲紹介したいと思います。60年代が中心ですが、70年代以降のものもでてきます。

あ、ちなみに順位をつけるのが難しかったので、順番は適当です。あしからず。

目次

1.  Francoise Hardy - Tous Les garcons et Les filles (1962)


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フランソワーズ・アルディは僕のお気に入りのフランス人歌手。若者の孤独、迷い、苦悩を表現するのを得意にしています。

「Tous les garcons et les filles(男の子と女の子はみんな)」は、「自分の年頃の男の子と女の子はみんな恋人がいるのに、私はひとりぼっち」という若者の孤独を歌った曲です。当時流行っていた陽気な曲の逆をいく暗い曲となっていますが、レコード会社の予想に反して商業的にヒットしました。ただ、曲調は(今日の感覚では)それほど暗くありません。

彼女のチャーミングな歌声は一度聴くと病みつきになります。

2.  Sylvie Vartan - La plus belle pour aller danser (1964)


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「La plus belle pour aller danser(ダンスに行くのにいちばん綺麗に)」(邦題は「アイドルを探せ」)は、映画『アイドルを探せ』でシルヴィー・ヴァルタンが歌い、有名になりました。シャルル・アズナヴールの作詞、ジョルジュ・ガルヴァランツの作曲。日本でも大ヒット。

ボクはフランス語を習い始めたばかりの頃にこの曲を知り、すぐに好きになりました。

3.  Daniele Vidal - Les Champs-Elysées (1969)


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「オーシャンゼリーゼ!」で有名な、「これぞパリ」っていう感じのシャンソンですね。しかし、この曲、実は英語の曲「ウォータールー通り(Waterloo Road)」をフランス語に翻案したものなんです。翻案の際に、通りの名前がイギリスのウォータールー通りからパリのシャンゼリゼ通りに変更されました。

フランスで初めてこの曲を歌ったのが、ジョー・ダッサン。1969年のことです。

日本では、1971年にダニエル・ヴィダルのカヴァーがヒットしたので、こちらをご存知の方が多いかもしれません。ボクも彼女のものをよく聴いていました。

4.  Nana Mouskouri & Michel Legrand - Quand on s'aime (1965)


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ミシェル・ルグランとナナ・ムスクリがデュオで歌う「Quand on s’aime(二人が愛し合っている時には)」。作曲はミシェル・ルグラン、作詞はエディ・マルネイ。

ミシェル・ルグランは20世紀後半の映画音楽界を代表する作曲家の一人です。ジャック・ドゥミ監督のミュージカル映画シェルブールの雨傘』と『ロシュフォールの恋人たち』でご存知の方が多いでしょうか。

こういうストレートなラブソングもときにはいいですよね。

5.  Jacques Dutronc - Les cactus (1966)


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1966年にジャック・デュトロンが発表した「Les cactus(サボテン)」。作詞はジャック・ランツマン。

ボクがこの曲を知ったのは、フランス人の妻の実家にクリスマス休暇でかえったとき、妻のお父さんがカラオケで歌ったからです。一度聴いただけで大好きになりました。

「世界はサボテンだ。どこにも座れない」で始まる、シュールでアイロニーの効いた歌詞。音楽自体は単純無害なものですが、歌詞の意味を考え出すと奥深くて面白いです。

6.  Chantal Goya - Tu m'as trop menti (1966)


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女優・歌手のシャンタル・ゴヤが歌う、「Tu m'as trop menti(君は嘘つき)」

ボクはジャン=リュック・ゴダール監督の『男性・女性』でシャンタル・ゴヤを知りました。この映画で彼女は主演女優として歌手の役を演じています。「Tu m'as trop menti(君は嘘つき)」はそのなかで彼女が歌う曲のひとつ。作詞作曲はのちに彼女の夫になるジャン=ジャック・ドゥブーが手掛けました。

ちなみにボクは映画『男性・女性』が大好きです。

7.  Serge Gainsbourg - Initials B.B. (1968)


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 イニシャルB.B.とは、女優・歌手のブリジット・バルドー Brigitte Bardot のことを指します。彼女はそのイニシャルをとって、B.B.(Bébé「赤ちゃん」と発音が同じ)の愛称で知られていました。

歌手のセルジュ・ゲンスブールは当時ブリジット・バルドーと短い期間ですが関係を持ったことがあります。破局の後、セルジュはこの曲をブリジット・バルドーへのオマージュとして書きました。アレンジはアーサー・グリーンスレイド。

強靭なリズム感と重層的なオーケストラ・アレンジがカッコいいですね。

8.  Petula Clark · Tu perds ton temps  (1963)


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カナダ人歌手のペチュラ・クラークが歌う「Tu perds ton temps(時間の無駄よ)」。この曲は作家、村上春樹さんのラジオ番組「村上Radio」で知りました。

この曲は、ビートルズの「Please please me」をフランス語で歌ったものになっているんですが、歌詞は大胆に書き換えられています。原曲「Please please me」では、若い男が女の子に「どうかボクを喜ばせて」とお願いする内容でしたが、「Tu perds ton temps」では、女の子が男に対して「口説いたって時間の無駄よ」とはねつけています。

9.  Michel Polnareff - Tout, tout pour ma chérie (1972)


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邦題は「シェリーに口づけ」。1972年にミシェル・ポルナレフが発表した曲です。

フランス人離れしたポップな音楽になっていて、リズミカルな曲調といい、美しくイキのいい歌声といい、サイコーです。

聴いていると思わず歌い出したくなるので、フランス語を勉強している人にはもってこいの曲ではないでしょうか。

10.  Téléphone - Un autre monde (1984)


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テレフォンはボクの好きな(数少ない)フレンチロック・バンドのひとつです。1976年に結成してから1986年に解散するまで、5枚のスタジオ・アルバムをリリース。バンドは商業的にかなりの成功を収めました。

「Un autre monde(別の世界)」は1984年にリリースされたラストアルバム『Un autre monde』に収められています。

ここではないどこか別の世界を夢想する歌です。ヴォーカル&ギターのジャン=ルイ・オベールの歌いっぷりとひたむきさにグッときます。