誰もが知るサッカー界の大スター、パリ・サンジェルマン（Paris Saint-Germain、PSG）の絶対的エースにして、フランス代表主将キリアン・エムバペ Kylian Mbappé（２５）。そんなエムバペには、やはりサッカー選手でPSGに所属する、ひとりの弟がいる。その名はエタン・エムバペ Ethan Mbappé（１７）。ファースト・ネームの英語発音はイーサンになるが、フランス語発音はエタンである。
あのエムバペの弟というと当然そのポテンシャルに期待が高まるが、一体どんな人物なのだろうか？
目次
エタン・エムバペのプロフィール
まずはエタン・エムバペの簡単なプロフィールから紹介しよう。
名前 エタン Ethan
苗字 エムバペ Mbappé
生年月日 ２００６年１２月２９日
出生地 モントルイユ（フランス）
国籍 フランス
身長 １７６cm
在籍 パリ・サンジェルマン（PSG）
ポジション MF
利き足 左
兄の誕生日に１６才でプロ公式戦デビュー
エタン・エムバペがプロデビューをして話題になったのは、つい最近のことだ。兄キリアンの２５才の誕生日にあたる２０２３年１２月２０日、PSG 対メッス（FC Metz）戦で、後半終了間際に途中出場し、プロ公式戦デビューを果たした。この時まだ１６才。兄の誕生日にデビューし、兄弟そろって同じチームでプレーするという記念すべき日となった。この日の試合は兄キリアンが２ゴールを決め、PSGが３対１でメッスを下している。
試合終了後、兄キリアンはこう語っている。「エタンは喜んでいるけど、兄の僕はもっと喜んでいる。今日みたいな特別な日を経験することになるとは思っていなかった。この試合のことはいつまでも忘れないだろう。特にエタンの出場は僕にとってもっとも重要な出来事だ。ゴールを決めること、試合に勝つことはいつであれ特別なことだけど、今日はそれにも増して特別な日だった」
一方、PSGの監督ルイス・エンリケはエタンについてこう評価している。「エタンの練習の取り組み方が好きだ。彼はU-１９でプレーしているが、豊かな個性を備えた興味深い選手だと思う。複数のポジションでプレーできる。シーズンのもっと早い段階で起用することもできただろう。デビューがキリアンの誕生日と重なったのは偶然だよ。私は満足しているし、エタンはこれからもよい試合を積み重ねることができるはずだ。背負うのが大変な、誉ある苗字を持っているけど、才能はあるし、準備も万端だ」
誕生からプロデビューまで
では、プロデビューまでの道のりはどうだったのだろうか？
エタン・エムバペは２００６年１２月２９日、パリ郊外モントルイユに生まれた。キリアン・エムバペを実兄、養子としてエムバペ家に引き取られたジレス・ケムボ・エココを義兄として育つ。エタン、キリアン、ジレスの三人は後にみなサッカー選手になっている。父はカメルーン出身の元サッカー選手で、母はアルジェリア系の元ハンドボール選手。
２０１７年、PSGの下部組織に入る。
２０１８年、地中海国際サッカー大会でPSGユースチーム対YSワールドセレクト（日本）戦でユースチーム初ゴールを記録。
２０２１年夏、PSGと３年のユース契約を結ぶ。
２０２２年、15才にしてU-１９フランス代表に招集される。
２０２３年夏、PSGトップチームのアジアツアーに参加。
２０２３年１２月、U -１８PSGでガンバルデラ・カップに出場し活躍。監督ルイス・エンリケの判断でリーグ・アン、リール戦でトップチームのベンチ入り。
２０２３年１２月２０日、兄キリアンの誕生日にPSG対メッス戦でプロ公式戦デビュー。
今後の展望は？
PSGとのユース契約は２０２４年６月まで。おそらく近いうちに正式なプロ契約が結ばれることが予想される。
兄キリアンとの関係
エタンと兄のキリアンとはとても仲の良い関係にあると言える。メッス戦で共演したときには、二人で同時にインタンビューに答え、喜びを伝え合っている。そのほか、二人の関係の良さを示すエピソードは数多い。
例えば、兄キリアンが２０１７年PSG入団時に背番号２９を選んだのは、弟のエタンが１２月２９日生まれだからである。
また、ゴールを決めた時のあのおなじみの決めポーズは弟のおかげでできたとキリアンは述べている。
”プレイステーションの冗談からはじまったんだ。弟がゴールを決めて、ああやって決めポーズを取った。それから５分後に、僕をとめてこう言った。「ねえ、兄ちゃん、試合であのポーズやってくんない？」って。「あのポーズをやって欲しいの？わかった、やるよ」と僕は答えた。ドルトムント戦で実際にやったら、とても喜んでいた。僕はこう言ったよ。「もうお前のポーズじゃなくて、俺のポーズだからね」ってね。”
