ボンジュール!ふら語教師のかたつむりです。
今回は、2024年パリ五輪関連の話。
パリ五輪と言ってもいろいろな話題がありますが、今回取り上げたいのは、最近フランスで論争が巻き起こっているアヤ・ナカムラさんの件です。
まず最初に言っておきますが、アヤ・ナカムラさん(28)は日本語名の芸名で活動していますが、日系の方ではありません。本名はアヤ・ダニオコ、マリ出身の黒人女性歌手で、フランス語で歌を歌っています。2024年にはフランス最高峰の音楽賞ビクトワール賞女性アーティスト賞を受賞。現在、世界で最も聴かれている女性フランス語歌手です。2021年にフランス国籍取得。
そんなアヤ・ナカムラさんが、2024年パリ五輪の開会式でエディット・ピアフを歌うらしいという報道がされたことを受けて、フランスで論争が巻き起こっています。
ことの始まりは、報道直後に極右政党と極右団体から出た人種差別そのものの野次でした。
極右政党「Reconquête !(再征服)」が政治ミーティングで人選を叩くと、極右グループ「ネイティブ」はセーヌ川で、「アヤ、それはできない。ここはパリであって、バマコの市場じゃないんだから」という横断幕を掲げました。
それに対してアヤ・ナカムラさんはXで反撃し、人種差別を非難。
現在、アヤ・ナカムラがフランスの顔として相応しいのかどうかという議論がフランスを分断しています。
極右の主張は、アヤ・ナカムラが「フランス語で歌っていない」からというもので、外国文化から借用した言葉やイメージが歌詞に溢れている点を取り上げています。
たしかにアヤ・ナカムラの歌詞は外国文化の影響を強く受けているようですが、フランス語やフランス文学の歴史を見ると、外国文化の影響でフランス文化が豊かになっていったという事実は無視できないですよね。これがアヤ・ナカムラ擁護派の主張です。
いずれにせよ、アーティストや政治家、一般人からアヤ・ナカムラを支持する多数の声があり、国際オリンピック委員会もアヤ・ナカムラを全面的に支持する立場を明らかにしました。
ただ、アヤ・ナカムラが実際にパリ五輪の開会式でエディット・ピアフを歌うことになるのかどうかはまだ不明です。
僕はアヤ・ナカムラさんの音楽ってほとんど聴いたことがないのですが、僕もフランスではよそ者なので、こういうことがあると本当に心が痛みます。
オリンピック、かなり政治的な色を帯びてきていますが、今夏の開会式ではいったい誰が歌うことになるのでしょうか。。
いちおう最後にアヤ・ナカムラの有名曲「Djadja」を貼っておきます。
それでは、また。
À bientôt !