ボンジュール!ふら語教師のかたつむりです。
今回は先日(3月8日)国際女性デーにフランス各地で行われた、女性の権利を求めるデモ行進について。
国連は3月8日を国際女性デー(女性の権利の日)に定めていますが、この日フランスでは、パリ、リール、ディジョン、ボルドーなどの大都市を中心に数万人の人々が、労働における男女不平等や性暴力に反対するデモ行進に参加。
また、この日はデモ行進だけではなく、女性の人口妊娠中絶の権利を憲法に明記するセレモニーがエマニュエル・マクロン大統領出席のもとパリのヴァンドーム広場で行われました。
セレモニーの後に行われたパリのデモ行進には、労働組合CGTの発表では10万人、警視庁の発表では2万8千人の人が参加したようです。
ちなみに、デモ行進にはジャック・ドワイヨン監督らから受けた性被害を告発して今話題の女優ジュディット・ゴドレーシュさんも参加。
今回のデモ行進で参加者たちから上がった声は次のようなものでした。
労働における男女不平等への抗議
例年通り、今年も男女の賃金格差がまず槍玉に上がりました。
フランスの統計機関INSEEの発表によると、2022年の民間企業における女性の賃金は、男性の賃金より平均して23,5%低かったそうです。
その理由の一つは一年あたりの女性の労働時間が男性よりも少ないためだそうですが、同じ時間働いた場合でも、女性の賃金は男性の賃金よりも14,9%低くなるそうです。これは男性に比べて女性が賃金の低い職業や職種に就いているためです。
要するに、いまだに女性にアクセスしにくい職業や職種があり、全体として男性よりも女性の賃金が低く、女性に対するリスペクトと理解が欠けていることが問題視されました。
家庭内暴力や性暴力への抗議
さらに、デモ行進の参加者たちは女性が犠牲になっている家庭内暴力や性暴力を弾劾。
次の写真は、フランスで社会問題となっているFéminicide(女性殺し。女性が夫や恋人などに家庭内暴力によって殺されること)の犠牲になった女性たちの名前がかかれた紙を掲げて行進する人たちです。
また、先日、未成年の時に受けた性的虐待を告発した女優、ジュディット・ゴドレーシュさんに感謝するプラカード(「ありがとう、ジュディット」)を持っている人もいました(ジュディット・ゴドレーシュさん本人もデモ行進に参加)。
ジュディット・ゴドレーシュさんの性被害告発については次の記事を参照。
仏女優がジャック・ドワイヨン監督らを児童強姦罪で告発(2024年2月) - かたつむりのフランス語カフェ
ただ、今回のパリのデモ行進では、参加者の間でイスラエル・パレスチナ情勢をめぐってイスラエル支持派とパレスチナ支持派の衝突もあったようです。幸い怪我人は出なかったようですが。
以上、国際女性デーのフランスの様子を簡単にお伝えしました。日本ではどうだったでしょうか?
それでは、また。
À bientôt !