かたつむりのフランス語カフェ

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フランス語のポケモン名解説② No.035-No.065

ボンジュール!ふら語教師のかたつむりです。

さて、今回はフランス語のポケモン名解説パート2。No.035(ピッピ)からNo.065(フーディン)までを紹介します。

(パート1をまだ見ていない方はこちらからどうぞ:フランス語のポケモン名解説 No.001-No.034

今回も面白い名前がけっこうありますよ。僕の個人的なお気に入りは、Feunard(キュウコン)、Rondoudou(プリン)、Akwakwak(ゴルダック)です。

どんな言葉でできていると思いますか?

目次

フランス語のポケモン名解説 No.035-No.065

No.035 Mélofée (メロフェ、ピッピ)

« mélopée » (単調な歌)と « fée » (妖精)

No.036 Mélodelfe (メロデルフ、ピクシー)

« mélodie » (メロディー)と« elfe »(エルフ)

No.037 Goupix (グピックス、ロコン)

« goupil »(狐の昔の呼び名) と « six »(6)

日本語オリジナル名の「ロコン」は「6(尻尾の数)」と「狐の鳴き声」ですね。

No.038 Feunard (フナール、キュウコン)

« feu »(火)と « renard »(狐)。しかも、« feun »は数字の「9」(neuf)の逆さ言葉にもなっていますね。

日本語オリジナル名の「キュウコン」は「9(尻尾の数)」と「狐の鳴き声」。

No.039 Rondoudou (ロンドゥドゥ、プリン)

かなりたくさんの言葉が隠されています。

« roudoudou »(貝殻型容器に水飴を流し込んだお菓子)と « rond » (丸い)と« doux »(柔らかい)と« doudou »(お気に入りのぬいぐるみ)

どうしてお菓子の名前が入っているのかというと、日本語名の「プリン」もデザートの名前だからです。

No.040 Grodoudou (グロドゥドゥ、プクリン)

« gros »(大きい、太い)と « doudou »(お気に入りのぬいぐるみ)

« gros »(大きい、太い)がつくことで進化したことが示されています。

No.041 Nosferapti (ノスフェラプチ、ズバット)

« Nosferatu »(ノスフェラトゥ、吸血鬼)と « petit »(小さい)

No.042 Nosferalto (ノスフェラルト、ゴルバット)

« Nosferatu »(ノスフェラトゥ、吸血鬼) と « alto » (アルト)

オペラのアルト(コントラルト、女性の低い声部)のように「重々しく堂々とした」というニュアンスだそうです。« petit »(小さい)が« alto » (アルト)になることで進化が示されています。

No.043 Mystherbe (ミステルブ、ナゾノクサ)

«mystère»(謎)と  «herbe»(草)

そのままですね。

No.044 Ortide (オルチッド、クサイハナ)

« ortie » (イラクサ)と « fétide »(悪臭のする)あるいは « putride »(腐った)

No.045 Rafflesia (ラフレシア)

変化なし

No.046 Paras (パラス)

変化なし。

日本語オリジナル名の「パラス」は«parasite»(寄生生物)から来ています。

No.047 Parasect (パラセクト)

変化なし。

「パラセクト」がそもそも «parasite»(寄生虫)と«insecte»(虫)のかばん語ですね。

No.048 Mimitoss (ミミトス、コンパン)

« mimi »(かわいい)と « mite » (衣蛾)

« mimi »は、« mignon »(かわいい)のくだけた言い方です。

No.049 Aéromite (アエロミット、モルフォン)

« aéro »(空気、エアロ)と« mite »(衣蛾)

「空を飛ぶ衣蛾」という単純な命名。

No.050 Taupiqueur (トピカー、ディグダ)

« taupe » (もぐら)と « marteau-piqueur »(ハンマードリル)

「ハンマードリルのように地面を掘っていくもぐら」という命名ですね。

No.051 Triopikeur (トリオピカー、ダグトリオ)

« trio » (トリオ)と « marteau-piqueur »(ハンマードリル)

«queur»が«keur»になっているのは、ポケモンの名前は10字までという制約があったためです。

No.052 Miaouss (ミャウス、ニャース)

« miaou »( ニャー、猫の鳴き声)

フランス語では猫は「ニャー」ではなく「ミャウ」と鳴きます。

No.053 Persian (ペルシアン)

変化なし。

No.054 Psykokwak (プシコクワック、コダック)

« psycho »(精神、心理)と « couac »(アヒルの鳴き声)

コダックがアヒルであることとエスパー系の能力があることからこの名前になりました。

No.055 Akwakwak (アクワクワック、ゴルダック)

« aqua »(水) と  « couac »(アヒルの鳴き声)

« aqua »(水)の綴りはAkwaとかわっています。

声に出してみると面白い名前ですね。

No.056 Férosinge (フェロサンジュ、マンキー)

« féroce »(獰猛な)と « singe »(猿)

「獰猛な猿」なので、どちらかと言うとオコリザルにニュアンスが近いですが、これは「マンキー」のこと。

No.057 Colossinge (コロサンジュ、オコリザル)

« colosse »(巨人)と « singe »(猿)

No.058 Caninos (カニノス、ガーディ)

« canin » (犬の)

No.059 Arcanin (アルカナン、ウインディ)

« arcane »(秘密、神秘)と « canin »(犬の)
« arcane »(秘密、神秘)で「神秘的な生き物」というニュアンスをつけています。

No.060 Ptitard (プチタール、ニョロモ)

« ptit »(小さい)と « têtard »(オタマジャクシ)

話し言葉を真似た書き言葉では、 « petit » は « e »を取って « ptit »と表記することもあります。

No.061 Têtarte (テタルト、ニョロゾ)

« têtard » (オタマジャクシ)と « tarte »(平手打ち)(=baffe)

この« tarte » は食べ物の「タルト」ではなく「平手打ち」のこと。攻撃的なニュアンスを付け加えることで進化したことが示されています。

ところで、Carabaffe(カメール)は、« carapace » (甲羅)と« baffe » (平手打ち)でしたね。

No.062 Tartard (タルタール、ニョロボン)

« tartare »(タルタル民族)と « tarte »(平手打ち)と « têtard »(オタマジャクシ)

« tarte »(平手打ち)と « têtard »(オタマジャクシ)はニョロゾのときと同じです。僕は歴史にあまり詳しく無いのですが、« tartare »(タルタル民族 、昔のヨーロッパで恐れられたモンゴルの遊牧騎馬民族の呼び名)は「強い戦士」というニュアンスで入っているようです。

No.063 Abra (アブラ、ケーシィ)

« Abra » は、カバラ秘法の呪文« Abracadabra »(アブラカダブラ)の前半部分。

«abracadabrant » は「奇妙な、途方も無い」という意味の形容詞になっています。

No.064 Kadabra (カダブラ、ユンゲラー)

« Kadabra» は、カバラ秘法の呪文« Abracadabra »(アブラカダブラ)の後半部分。

No.065 Alakazam (アルカザム、フーディン)

« Alakazam »も「アブラカダブラ」に似た一種の呪文。

 

まとめ

以上、No.035(ピッピ)からNo.065(フーディン)まで、ポケモンのフランス語名を解説しました。

今回もかなり面白い名前があったのではないかと思います。

皆さんのお気に入りの名前はなんでしょうか?

次回は、No.066(ワンリキー)からNo.094(ゲンガー)までを紹介するつもりです。乞うご期待。

それでは、また。

À bientôt !