かたつむりのフランス語カフェ

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2024年10月にジェラール・ドパルデュー氏裁判へ

ボンジュール!ふら語教師のかたつむりです。

今回は、ジェラール・ドパルデュー関連の最新ニュース。

これまでの経緯

ジェラール・ドパルデュー(Gérard Depardieu)は言わずと知れたフランスの国民的俳優であり、1996年にはその功績を讃えて当時のシラク大統領からレジオン・ドヌール勲章を授与されたほどでした。

しかし、Metoo運動の盛り上がりの中で2018年8月にシャルロット・アルノーが口を開いて以来、ジェラール・ドパルデューは多数の女性から性犯罪の告発を受けています。

昨年末にはドパルデューの性犯罪を暴くドキュメンタリー映像がフランス公共放送「France 2」で放映され、ドパルデューの卑猥な態度と発言がフランス社会に衝撃を与えました。

ドパルデューのこれまでのスキャンダルに関しては、こちらの記事を参照:フランスの国民的俳優ジェラール・ドパルデューのスキャンダルまとめ #Metoo

最新ニュース

さて、仏メディアによると、ジェラール・ドパルデューは今年に入ってさらに三人の女性から性的暴行罪で訴えら、4月29日、その件に関してパリ警察で取り調べを受けました。取り調べは10時間ほど続いた模様です。

ドパルデューを訴えた一人目の女性は、2014年、短編映画 『Le Magicien et les Siamois』の撮影中に体を触られたことを理由に、2024年1月、俳優を性的暴行罪で訴えました。当時彼女は24歳で、撮影助手。彼女によると、ドパルデューは「身体のいたるところを触ってきた」ということで、この俳優のふるまいがトラウマになっていることも告白しています。ただこの訴えは、事が起こったのが10年前ということで不起訴処分になりました。

ドパルデューを訴えた二人目の女性は、2021年、映画『Volets verts』の撮影中にドパルデューから性被害を受け、2024年2月に俳優を訴えました。彼女は53歳で、映画の装飾スタッフ。彼女によると、廊下のスツールに座っていたドパルデューが仕事中の彼女を両脚で絡め取り、卑猥な文言を発しながら体に触ってきたといいます。ドパルデューの力は凄まじく、彼女を引き離すのに別の人物の助けが必要なほどだったそう。撮影チームはドパルデューに彼女に対して謝罪をするよう求めましたが、ドパルデューの謝罪は謝罪どころか罵りのようなものだったといいます。

さらに、この映画『Volets verts』の助監督の女性もまた、同じ撮影現場でドパルデューから体を触られるなどの性的暴行を受け、俳優を訴えました。

この最後の二件の性的暴行に関する取り調べの後、パリ検察はジェラール・ドパルデューに対して今年の10月に裁判所へ出廷するよう要請。

これまでドパルデューに対しては多数の告発がなされてきましたが、本人は一貫して容疑を否認しており、はっきりしない状況が長らく続いてきました。今年の10月に裁判所で裁かれることでドパルデューの一件が新たな進展もたらすことは確かでしょう。