かたつむりのフランス語カフェ

吾輩はふら語教師である。名前はかたつむりである。

フランス語の男性名詞・女性名詞の見分け方

ボンジュール!ふら語教師のかたつむりです。

今回は、フランス語初中級者の方向けに男性名詞・女性名詞の見分け方のお話をします。

(結論だけ知りたい方は、イントロを飛ばしてください)

はじめに

フランス語の名詞には男性名詞と女性名詞がありますよね。

例えば、 le soleil (太陽)は男性名詞、la lune (月)は女性名詞という風に、フランス語では名詞の性をいちいち覚えなければいけません

「どうして太陽は男性名詞で月は女性名詞なんだろう」なんて考えても残念ながらあまり意味がありません。そうなっているとしか言いようがないんです。

ちなみに、男性名詞だからといって「男性らしさ」が、女性名詞だからといって「女性らしさ」がその名詞にあると考えられているという訳でもありません。これは単なる文法上の性であって、実際の性別とは別です(ただ、人や身近な動物を表す名詞の性は実際の性別と合致します)。

と、たいていの名詞はこんな風に、テキトーにというかランダムに性が決まっているので、初めのうちは「フランス語ってムズカシイ…」となってしまいがちですが、ご安心ください!

実は、接尾辞(名詞の語尾の部分)の形から男性名詞なのか女性名詞なのか判断できる場合もあります

つまり、これらの接尾辞が単語の終わりについていたら、男性名詞なのか女性名詞なのかすぐにわかるんです(例外はあります)。

ここにあげた接尾辞を覚えるだけで、暗記の負担はかなり軽減できると思いますよ。

それでは、それぞれの接尾辞を見てみましょう。

男性名詞の主な接尾辞

-ment

le paiement(支払い), le changement(変化), l'appartement(アパルトマン), le gouvernement(政府)などなど

"-ment"がつく名詞はたくさんあるので、知っているととても便利。

"-ment"は、動詞を名詞化するときによく使われる接尾辞です。payer(支払う)→le paiement(支払い)、changer(変化する)→le changement(変化)

-eau

le couteau(ナイフ), le château(城) le gâteau(ケーキ) le manteau(コート)などなど

"eau"は「オ」と読みます。これも知っているととても便利な接尾辞。

複数形では、"s"ではなく"x"がつきます。le couteau → les couteaux

ただし、l'eau(水)は例外的に女性名詞。

-age

le maquillage(化粧), le mariage(結婚), le fromage(チーズ), le garage(ガレージ)などなど

これも知っているととても便利な接尾辞。

動詞を名詞化するときによく使われます。maquiller(化粧する)→ maquillage(化粧)

la plage(ビーチ), la page(ページ), l'image(イメージ)などは例外的に女性名詞。

-phone

le téléphone(電話), l'interphone(インターホン), le saxophone(サックス)などなど

"-phone"って女性名詞っぽいんですが実は男性名詞を作る接尾辞。ギリシャ語由来の接尾辞で「声」という意味があります。楽器や音に関係のある機械の名前に多いです。

"-phone"がつく名詞はそれほど数は多くないです。

-isme

le réalisme(リアリズム), le socialisme(社会主義), l'impressionnisme(印象派)などなど

「〜主義」「〜イズム」を表す接尾辞"-isme"がついていれば男性名詞です。


女性名詞の主な接尾辞

-tion, -sion

la traduction(翻訳), la situation(状況), la décision(決定), la télévision(テレビ)などなど

知っていると超便利。

動詞を名詞化するときによく使われます。traduire(翻訳する)→ la traduction(翻訳)、 décider(決定する)→ la décision(決定)

"-tion", "-sion"がつく名詞は膨大な数に上りますが、ぜんぶ女性名詞です。

-ence, -ance

la différence(違い), la présence(存在), la naissance(誕生), la nuance(ニュアンス)などなど

これも知っているととても便利。

ただし、le silence(沈黙)は例外的に男性名詞(めちゃくちゃ女性名詞に見えますが...)

-aison

la comparaison(比較), la liaison(リエゾン), la conjugaison(動詞の活用)などなど

動詞から名詞を作るのによく使われます。comparer(比較する) → la comparaison(比較)

それほど数は多くないです。

-ette

la bicyclette(自転車), la cigarette(タバコ), la fouchette(フォーク)などなど

"-ette"はもともと「小さい」という意味の接尾辞です。

le squelette(骨格)は例外的に男性名詞。

-té

la beau(美しさ), la san(健康), la quali(質), la socié(社会)などなど

知っていると超便利。

"-té"は抽象的な質を表す接尾辞。形容詞由来の単語に"-té"がつくと「〜さ」という意味になります。beau(美しい)→ la beauté(美しさ)

-ie

l'Italie(イタリア), la boulangerie(パン屋), la folie(狂気), la maladie(病気), la chimie(化学)などなど

これも知っているととても便利。

地理名、お店、抽象的な質、学術・医学用語などによく使われる接尾辞です。

ただし、l'incendie(火事), le parapluie(傘) は男性名詞。

-ure

la culture(文化), la voiture(車), la nature(自然)などなど

-ude,  -ade, -ode,

l'attitude(態度), la solitude(孤独), la limonade(レモネード), la promenade(散歩), la méthode(メソッド)などなど

 

まとめ

以上、接尾辞による、フランス語の男性名詞・女性名詞の見分け方を解説しました。

フランス語名詞の性は基本的にその都度覚えなくてはいけませんが、接尾辞の形と性を知っているだけで、暗記の負担をかなり軽減できると思います。

こういうのって、ちょっとした裏ワザ感があっていいですよね。

実は、接尾辞にはまだ種類があるのですが、使用頻度を考えると初中級レベルではこのくらいでいいんじゃないかと思います。あまりにたくさんのものを一度に覚えるのは大変ですので、まずはここにあげたものから覚えてみてください。

他の接尾辞もまた紹介します。乞うご期待。

それでは、また。

À bientôt !