かたつむりのフランス語カフェ

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単純に面白い!最近観たおすすめフランス映画7選

ボンジュール!ふらんす語教師のかたつむりです。

本記事では、僕が最近観て面白いと思ったフランス映画7選を紹介します。

あらかじめ断っておきますが、今回紹介するのはフランス映画の最新作ではなく、単純に僕が最近フランス版Netflixで観て面白いと思ったフランス映画です(とはいえ、すべて過去10年の間に公開された作品ですので新鮮さはまだ損なわれていないはず)。

また、今回の選考ではエンタメ性を重視したので、シリアスすぎるもの、難解すぎるもの、感動的すぎるもの、名作すぎるものは除外しました(それらはまた別の記事で紹介します)。今回紹介するものは、僕自身が娯楽として最後まで飽きずに楽しめ、見終わった後に「あーいい映画だった」と思えたものです。

ちなみに、今回紹介する映画はすべて日本語公開されたもので、現在そのほぼすべてがNetflixやAmazon Prime Videoなど何らかの動画配信サイトで視聴可能です(ただ、時期によって視聴できない可能性あり)。

それでは、さっそく見ていきましょう。

目次

1『ヴィクトリア 』(Victoria) 2016年

まずは『落下の解剖学』で一躍有名になったジュスティーヌ・トリエ監督の作品『ヴィクトリア』。この作品は今回紹介するものの中ではおそらくいちばん本格的な映画です。

主演のヴィルジニー・エフィラはラブコメ女優として知られていましたが、本作で初のヒューマンドラマに挑戦し、シリアスな作品も演じ分けられることを示しました。

『落下の解剖学』と同様法廷ものですが、随所にユーモアが散りばめられていて個人的にかなりオススメ。

あらすじ

二児のシングルマザー弁護士ヴィクトリア(ヴィルジニー・エフィラ)。ある結婚式で友人のヴァンサンと、かつて窮地を救ってやった元麻薬ディーラーのサム(ヴァンサン・ラコスト)に出会う。が、その翌日、ヴァンサンは恋人に殺人未遂容疑で訴えられる。唯一の目撃者は犬。ヴィクトリアはしぶしぶ友人の弁護を引き受け、元麻薬ディーラーのサムを住み込みのベビーシッター兼弁護士見習いとして雇い始めるのだが...

2『トラブル・ウィズ・ユー』(En liberté)2018年 

ピエール・サルヴァドーリ監督の痛快コメディ『トラブル・ウィズ・ユー』。主演はアデル・エネルとピオ・マルマイ。『アメリ』の主演女優オドレイ・トトゥも出演しています。

僕が初めてこの映画を見たのはフランスのプレミア試写会ででした。妻に勧められて見に行ったのですが、結果は大満足。ムショから出てきた男の破天荒な所業が見どころでしたが、裏に人間ドラマがあり、また役者の演技が上手いので最後まで飽きずに楽しめました。先日、Netflixで見返したのですが、やっぱり面白かったです。

ちなみに、主演女優のアデル・エネルは、クリストフ・ルッジア監督から受けた性的暴行を2019年に告発し、行動を起こそうとしない保守的な映画界に嫌気がさして2022年に引退を表明しました。個人的に大好きな女優さんだったので、とても残念です。

あらすじ

女刑事のイヴォンヌ(アデル・エネル)は同僚で夫のサンティ警部を殉職で失い、未亡人になる。地元には英雄サンティ警部の銅像が立ち、悲しみに沈むイヴォンヌ。しかしひょんなことからイヴォンヌは、英雄のはずの夫のサンティがアントワーヌ(ピオ・マルマイ)という無実の青年を身代わりにして悪事を行なっていたことを知る。彼女は8年間もの間刑務所に収監されているアントワーヌを助けるべく動き出すのだが...

3『パリのどこかで、あなたと 』(Deux Moi) 2019年 

『スパニッシュ・アパートメント』のセドリック・クラピッシュ監督の佳作。アナ・ジラルドとフランソワ・シビル主演。

僕は『スパニッシュ・アパートメント』ってあまり好きになれなかったのですが、この映画はすぐに好きになりました。ロマン・デュリスよりもフランソワ・シビルの方が個人的に好きという事情もありますがw

フランソワ・シビルは最近売れっ子の若手イケメン俳優。個人的にかなり注目しています。

大都会パリに生きる、孤独と問題を抱えた二人の男女の話です。二人は同じアパルトマンのお隣さん同士なのですがお互いの存在は知りません。さて、どうなるでしょう?

予告編はこちら↓


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4『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(Mon inconnue) 2021年 

ユーゴ・ジェラン監督が送る良質のロマンチック・コメディ。フランソワ・シビルとジョセフィーヌ・ジャピ主演。脚本には『ファミリー・ビジネス』のイゴール・ゴーツマンが加わっています(作品のユーモアは彼に負うところ大)。

ある日目を覚ますと妻が見ず知らずの他人として別の人生を歩んでいるというSF的なパラレルワールドを描いた作品。どうしてパラレルワールドに来てしまったのか、妻を取り戻すことはできるのか、元の世界に戻ることはできるのか...

SF的なパラレルワールドという趣向のおかげで単純なラブコメではなく、笑いあり、謎あり、涙ありの作品に仕上がっています。

ちなみに、この映画がきっかけでフランソワ・シビルとジョセフィーヌ・ジャピは実際に交際を始めました。

予告編はこちら↓


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5『スクールライフ:パリの空の下で 』(La Vie scolaire) 2019年


グラン・コール・マラード&メディ・イディル監督作品。ジタ・アンロ主演。

パリ郊外の中学校生活を描いた映画です。僕はフランスの学校生活がどんなものなのかを知るために観たのですが、大変つくりの良い映画で、ユーモアもあり、かなり楽しめました。

パリ郊外の中学校に赴任してきた、正義感が強く生徒思いのスクールカウンセラーのサミア(ジタ・アンロ)が主人公。彼女は自身個人的な悩みを抱えながら、問題のある生徒たちの生活指導を始めます。サミアは生活指導を通して特定の「不良」生徒たちにシンパシーを抱くようになっていくのですが...

スフィアン・ゲラブが若い数学教師を演じていますが、彼もけっこういい味を出しています。

6『俺はマンデラになる』(Tout simplement noir) 2021年

ジャン=パスカル・ザディ主演。黒人差別をテーマにしたブラックコメディなんですが、ザディさんの間の抜けた演技が最高に可笑しいです。黒人差別に抗議するためにデモ行進を呼びかける青年(ジャン=パスカル・ザディ)が主人公。

ちなみに同じくザディさん主演のドラマ『その日がやって来る』(En place)も同じテイストの作品でかなり笑えます。こちらはフランス史上初の黒人大統領になるべく、大統領選に出馬する黒人教育者の話。エリック・ジュドーとのコンビが最高。

7『あしたは最高のはじまり』(Demain tout commence) 2017年

『ラブ・セカンド・サイト』のユーゴ・ジェラン監督作品ですが、時系列的には本作の方が先です。主演は『最強のふたり』『ルパン』のオマール・シー。

オマール・シーはコメディアンとしてキャリアを出発しただけあって、人を笑わせるのが本当に上手いです(特に映画の前半)。映画はプレイボーイのサミュエル(オマール・シー)が見覚えのない女性に突然「自分の娘」を渡され「へ?」となるところから始まります。

サミュエルは立派なお父さんになれるのでしょうか?

予告編はこちら↓


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まとめ

以上、最近観て面白かったフランス映画7選を紹介しました。

冒頭でも言いましたが、すべての作品に多かれ少なかれユーモアがあり、どの作品もそれほど気張らずに観ることができます。

何も考えずに笑いたい人は『トラブル・ウィズ・ユー』を観ましょう。

フランス映画についてはまた紹介記事を書こうと思っています。乞うご期待。

それでは、また。

À bientôt !