かたつむりのフランス語カフェ

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フランスで最も有名な黒人俳優オマール・シー 生い立ちと作品

ボンジュール!かたつむりです。

さて今回は、フランスで最も有名な黒人俳優オマール・シーを紹介します。

オマール・シーのXアカウント

超大物なので、日本でもご存知の方は少なくないでしょう。名前は知らなくても顔を見ればわかるという方も多いはず。

有名な出演作品は、フランス映画の名作『最強のふたり』、ハリウッド映画『ジェラシック・ワールド』、大人気Netflixドラマ『ルパン』、などなど。

オマール・シーの役には思わず笑ってしまうユーモアのあるキャラが多いのですが、それもそのはず。オマール・シーは実はお笑いタレントとしてキャリアをスタートしているんです。

また、オマール・シーはその端麗な顔立ちと筋骨たくましい肉体美でも有名。

本記事では、オマール・シーのプロフィール、経歴、日本語で観られる出演作品などをまとめてみました。

目次

オマール・シーのプロフィール

名 オマール Omar 
姓 シー Sy
国籍 フランス
生年月日 1978年1月20日
出生地 Trappes(フランス)

オマール・シーの経歴

1. アフリカ系移民の家庭に生まれる

1978年1月20日、オマール・シーはセネガル人労働者の父と、モーリタニア人掃除婦の母のもとに生まれました。八人きょうだいの上から四人目の子供。両親は70年代により良い生活を求めてフランスに移住してきた移民です。

パリ南西に位置するトラップという町で育ちますが、なんと近所の友だちのひとりにあのジャメル・ドゥブーズがいました。将来コメディ界の大物になるジャメル・ドゥブーズはオマール・シーの3つ年上で、お兄ちゃん的な存在だったといいます。

この交友関係のおかげで、1996年、オマール・シーは17才のときにラジオ局「Radio Nova」で司会の仕事を獲得します。

2. フレッド・テストとお笑いコンビ「Omar et Fred」を結成

ラジオ局「Radio Nova」でフレッド・テスト(Fred Testot)と出会い、お笑いコンビ「オマールとフレッド」を結成。

2000年、テレビ放送局「Canal+」でフレッドと共にお笑い番組「Le Visiophone」を受け持ちます。

2005年から 「Canal+」で短いネタ番組「Service après-vente des émissions」を始め、2013年までロングヒット。「テレビ番組のアフターサービス」という体裁で、二人が最近テレビで観たことに面白おかしくコメントしていきます。

「オマールとフレッド」のネタ番組「Service après-vente des émissions」©︎ Canal+
3. 映画デビュー

同じくお笑いコンビの「エリックとラムジー」(Eric et Ramzy)と番組共演したことをきっかけに、二人の主演映画『ドント・ダイ・トゥ・ハード』(La Tour Montparnasse infernale) (2001)に出演。この映画はフランスのコメディ映画の定番のひとつ。

この出演が功を奏して、オマール・シーは以後、『Le Raid』 (2002)、『La Beuze』 (2003)、『Le Carton』 (2004)など、映画作品への出演を増やしていきます。

さらに、『Nos jours heureux』(2006)で俳優としての評価を高め、その後も『Seuls two』 (2008)、『Safari』 (2009) 、 『Envoyés très spéciaux』 (2009)などに出演します。

4. 2011年に『最強のふたり』で大ブレーク

しかし、本当の意味でオマール・シーがブレークするのは、2011年のフランス映画『最強のふたり』によってです。この映画は国際的に大ヒットし、観客動員数1900万人以上を記録。日本でもご覧になった方は多いでしょう。

この映画で演じた黒人青年ドリス役が評価され、オマール・シーはセザール賞主演男優賞を受賞しました。

フランソワ・クリュゼとオマール・シー主演映画『最強のふたり』の宣伝ポスター ©︎2011 SPLENDIDO / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / TEN FILMS / CHAOCORP
5. ハリウッド映画にも出演

『最強のふたり』で国際的な認知度を高めると、オマール・シーは『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)でハリウッドデビュー。その後も、『ジュラシック・ワールド』(2015)や『インフェルノ』(2016)『野生の呼び声』(2020)などの超有名作品に出演。

『ジュラシック・ワールド』でバリー役を演じるオマール・シー©︎ Universal
6. 2021年にNetflixドラマ『ルパン』で再び特大ヒット

『Yao』 (2018) や『ロスト・プリンス』 (2020)が商業的に失敗するなど、2017年以降は出演映画があまり振るわなかったのですが、2021年に公開されたNetflixオリジナルドラマ『ルパン』が国際的に大大大ヒット。Netflixの非英語圏最大のヒット作と呼ばれました。

現代フランスに蘇る怪盗紳士アルセーヌ・ルパンの物語です。このドラマは現在パート3まで出ています。

Netflixドラマ『ルパン』パート2の宣伝ポスター ©︎ Netflix

オマール・シーの私生活

1998年に共通の知人の紹介でエレーヌさんに出会い、お互いに一目惚れ。2007年に結婚。

2012年に家族と共にカリフォルニア州ロサンゼルスに移住。

二人の間には五人の子供がいます。

日本語で観られるオマール・シー出演作品

幸にして、オマール・シーの出演作品の多くは日本語でも観ることができます。

以下のリストでは、日本語で視聴可能なオマール・シー出演作品のうちめぼしいものを紹介しています。探せば他にもありますが、まずはこのくらいで。

フランス語作品

1. 『Lupin/ルパン』パート1~3 2021~

オマール・シー主演の大人気Netflixドラマ。超オススメです。

『Lupin/ルパン』の宣伝ポスター ©︎Netflix

2023年秋にシーズン3が封切られて話題のドラマです。モーリス・ルブランの小説でおなじみの怪盗アルセーヌ·ルパンを敬愛する黒人の泥棒アサン・ディオップが主人公。見どころはなんといってもアサンの盗みと変装のテクニック。その大胆にして華麗なテクニックは警察だけではなく視聴者の我々も欺きます。

2. 『最強のふたり』(Intouchables)2012

エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督、フランソワ・クリュゼ&オマール・シー主演のヒューマン・コメディ。国際的に大ヒットしたフランス映画です。

富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は事故で全身マヒになり、刑務所から出てきたばかりの黒人青年ドリス(オマール・シー)を介護者として採用します。二人はどう考えてもミスマッチな組み合わせなのですが...

予告編はこちら↓


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3. 『あしたは最高のはじまり』(Demain tout commence)2017

『ラブ・セカンド・サイト』のユーゴ・ジェラン監督作品。オマール・シー主演。

映画はプレイボーイのサミュエル(オマール・シー)が見覚えのない女性に突然「自分の娘」を渡され「へ?」となるところから始まります。サミュエルは立派なお父さんになれるのでしょうか?

予告編はこちら↓


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4. 『ショコラ 君がいて、僕がいる』(Chocolat)2017

オマール・シー主演。20世紀初頭、ベル・エポックのフランスが舞台。白人フティットと黒人ショコラ(オマール・シー)の芸人コンビの実話に基づく感動の物語です。白人と黒人の芸人コンビといえば、もちろん「オマールとフレッド」が連想されますね。

予告編はこちら↓


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5. 『サンバ』(Samba)2014

『最強のふたり』の監督とオマール・シーが再びタッグを組んだヒューマン・コメディ。主演女優はシャルロット・ゲンズブール。

国外退去を命じられた移民青年サンバ(オマール・シー)と、心を病んだ移民支援団体のアリス(シャルロット・ゲンズブール)の物語です。問題を抱えたふたりは「最強のふたり」になれるのでしょうか?

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6. 『アンタッチャブルズ』(De l'autre côté du périph)2012

オマール・シー主演のアクション・コメディ。ボビニー警察署の経済課と殺人課の警察コンビの映画です。

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英語作品

オマール・シーはハリウッド映画にも出演していますが、いまのところ主演作はありません。

7. 『ジュラシック・ワールド』2015

言わずと知れた『ジュラシック・パーク』シリーズの第4作目。オマール・シーは恐竜調教師のバリー役。

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8. 『インフェルノ』2016

『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズの続編。オマール・シーは監視対応支援チーム隊長クリストフ・ブシャール役。

予告編はこちら↓


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まとめ

以上、オマール・シーのプロフィール、経歴、日本語で観られる出演作品を紹介しました。

オマール・シーは、まず間違いなく、現在フランスでいちばん有名な黒人俳優です。ユーモアがあって、ハンサムで、筋骨隆々で、文句のつけようがないですね。

まだ彼の作品を観たことのない方は、まず『最強のふたり』か『ルパン』を観ることをオススメします。きっと好きになりますよ。

それでは、また。

À bientôt !